图注:习惯后的结果
定年、それは職場というひとつの「社会」の喪失を意味する。そして、ふと気付くと自分の周りには誰もいなくなっていた……。お金とともに、老後の大問題である「社会的孤立」。いかにして孤独に苛(さいな)まれる事態を防ぐか。ひとり寂しい晩年を迎えないための処方箋。
退休,意味着失去一个“社会”:职场。突然间,你发现周围没有人了。和金钱一样,“社会性孤独”也是老年主要问题之一。如何做来防止被孤独折磨呢?本篇文章为你提供一个人不再孤独渡过晚年的处方。
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「自分、不器用ですから」。そう言って多くを語ろうとしない高倉健。レイモンド・チャンドラーの小説に出てくるハードボイルドな主人公。未だに日本ではこうした寡黙な男性が「理想像」として語られています。ペラペラ喋らずに黙って働き家庭を支える、それこそが男なのだと。
“因为自己不中用。”不想再谈起自己生活的高仓健这样说道。这是雷蒙德·钱德勒小说中的一个硬汉英雄主人公形象。在日本,现在这种沉默寡言的男性仍然被人们奉为“理想男性”。一个话不多、默默地工作,养活自己家庭的男性。
どこか不器用で、それでいて愛すべき存在のオジサンたちが追い求める「男らしさ」。しかしそれは、ひとつの大きな代償を払うことで成立しています。
这些男人追求的“男子气概”,多少有些笨拙和可爱。但这需要付出巨大的代价。
退職後、「社会との唯一の窓口」であった妻を亡くした男性が、社会との接点を完全に失い、後を追うように亡くなってしまった。
退休后,失去妻子这一“与世界唯一的联系”的男性,将会丢失与社会的一切联系,就像是被社会丢在后面,然后慢慢去世。
人生でただひとつの生きがいだった仕事を辞めた男性が、近所やコミュニティーへの溶け込み方が分からずに家に閉じこもってテレビを見てばかりいる。
一个失去人生唯一价值的男性,也就是在他没有工作后,他不知道如何与他的邻居相处,如何融入社区,只会在家里看电视。
上場企業の役員だった男性が、現役時代のプライドを引きずったまま、マンションの理事会で「オレ様トーク」ばかりするので老害化し、孤立している――。
一个曾是上市公司董事的男性,现在变成了一个老人,却还保留着工作时代的自尊,在公寓内还是像召开董事会一样“大爷般的讲话”,承受着老龄化带来的伤害,被社会孤立。
あなたの夫や父親、あるいは周りに、このような男性はいませんか?
你的丈夫、父亲,或者在你的周围,有这样的男性吗?
男らしさの追求、それは「日本の男性は世界一孤独である」という代償の上に成り立っているのです。
追求“男子气概”的代价,就是“日本男性变得世界第一孤独。”
コミュニティーとコミュニケーションに問題を抱える中高年男性
中老年男性存在“社区”和“交流”问题
图注:企业战士
〈こう解説するのは元新聞記者で、「コミュ力」の強化を支援するコミュニケーション・ストラテジストの岡本純子氏だ。
〈前报纸记者、帮助人们加强“沟通能力”的沟通策略师冈本纯子是这样解释的。
これまで千人以上の社長や企業幹部らにプレゼン・スピーチなどのコミュニケーションコーチングを行ってきた岡本氏は、数多くの「オジサン」と接してきた。
到目前为止,冈本曾为一千多名企业首席执行官和高管提供沟通方面的指导,包括演讲和致辞。在此期间,冈本接触了许多“大叔”。
それは同時に、無数の「孤独なオジサン」と向き合う機会でもあった。
与此同时,也接触了无数“孤独的大叔”。
実際、OECDの調査では、「友人や同僚、もしくはほかの人々と時間を過ごすことのない人」の割合は日本の男性が16.7%と加盟国中最も高く、平均値の3倍近かった。また、65歳以上の単独世帯を対象にした国の調査によると、会話の頻度が2週間に1回以下である女性は3.9%だったのに対し、男性は16.7%と実に4倍以上を記録した。
实际上,根据OECD(经济协作与发展组织)的调查显示,“没有和朋友、同事或其他人相处的”日本男性比例是成员国中最高的,达到16.7%,几乎是平均水平的3倍。而且,根据一项针对65岁或以上的单身户主家庭的全国性调查发现,3.9%的女性每两周和别人谈话不到一次,而男性达到16.7%,是平均数的四倍多。
日本は孤独大国であり、とりわけ日本の男性は「世界一孤独」であることが数字上も裏付けられているのである。〉
日本是一个孤独大国,而数据显示,尤其是日本男性“世界第一孤独”。〉
定年後、ふと気付くと職場以外のコミュニティーを持たずに孤独に苛まれたある男性が、思い立ってコミュニティーセンターに通ってみることにした。ところが、彼はコミュニティーセンターの女性講師のストーカーと化してしまい、周囲に煙たがられ、一層、孤立してしまった……。
退休后,平常没有注意和职场以外的社区相处的男性,感到很孤独,于是决定参与社区中心的活动。但是这样一来,他就成了社区中心女讲师的跟踪狂,这使他更加不受欢迎,更加被孤立起来...
身の回りに孤独な男性はいないか尋ねると、こんな話を耳にすることがあります。なぜこの男性は、孤独の解消を求めてコミュニティーセンターに通い始めたのに、逆に、より孤立してしまう結果となったのか。それは、日本の多くの中高年男性が「コミュニティー」と「コミュニケーション」に問題を抱えているからです。
当你去寻找身边是否存在这样的男性时,你就会听到这种话。为什么这样的男性,为了消解孤独感,想从参加社区中心的活动开始,结果反而还变得更加孤独了呢?原因在于,日本的众多中老年男性在“社区”和“交流”方面存在问题。
会社ではフラットなコミュニケーションが取れない
无法在公司进行“扁平化”交流
まずコミュニティーの問題について考えてみます。今の中高年世代の女性には専業主婦も少なくなく、子育てを通じて「ちょっとしたお喋りができる知り合い」というコミュニティーを持っていて、それが老後になっても活きてくる。一方、「24時間戦えますか」を体現してきた同世代の男性は、職場と家庭以外の「第三のコミュニティー」を作ることが難しかった。そのため定年で職場を失うと、「社会」との縁がプッツリと切れてしまうのです。
首先,让我们来想一想社区方面的问题。现在的中老年女性大多都是家庭主妇,她们通过养育儿女有着“可以稍微聊聊的熟人”,这可以持续到她们进入老年生活。另一方面,对于都在想着“能不能工作24小时”的同龄男性来说,很难去创造职场和家庭以外的“第三社区”。因此,当在退休离开职场后,他们与社会的联系就“扑哧”一下被切断了。
次にコミュニケーションの問題です。日本の社会、とりわけ男性社会である企業の中のコミュニケーションはヒエラルキーに基づいています。上の立場の人には敬語を使い、下の立場の人には命令するのが当然。この上意下達のコミュニケーションは、友だちを作るために必要な「フラットなコミュニケーション」とは対照的なものです。
其次是交流的问题。在日本社会里,特别是在男性主导的企业社会中,等级制度是基础。对处于高位的人使用敬语、处于低位的人下达命令是自然而然的。这种“上意下达(日语词语,指由上而下传达上级意愿)”的等级化交流与交朋友所需的“扁平化交流”形成鲜明对比。
しかし、企業というヒエラルキーの中でどんどん偉くなっていくと、次第にフラットなコミュニケーションの取り方を忘れてしまい、つい上から目線の話し方をしてマウントを取りがちになり、嫌われる。その延長線上に待っているのが、「コミュニティーセンターの女性講師にストーカーする定年後の男性」なのです。
然而,当你在公司的等级制度中变得越来越重要时,你就会渐渐忘了如何以平和的方式去交流沟通,而倾向以一种优越的方式说话,显得装腔作势,不受欢迎。最后的结果就是变成那个“在社区中心盯上女讲师的退休男子”。
コミュニケーションは慣れと場数
交流在于熟悉度和经验
私がコミュニケーション・ストラテジストとして接してきた日本人エグゼクティブの99.9%はオジサンでしたが、彼らのコミュニケーションに対する考え方はふたつに大別することができます。
作为一名沟通策略师,我发现和我合作的日本董事中,99.9%都是大叔。在和他们的交流中,我发现他们的沟通方式可以分为两大类。
ひとつは「オレ様流コミュニケーション」です。コミュニケーションが上手いと自負している人に限って、相手の気持ちを考慮せず、自分に酔いしれて一方的に話し続ける。つまり、伝える努力をしていない。
第一种是“以自我为中心”。这种人十分自大,以认为自己很擅长交流,不考虑对方的感受,自顾自的不停说话。也就是说,其实他们完全没有做任何努力去听别人说话。
そしてもうひとつは「諦(あきら)め派」。自分は確かにコミュニケーション下手だが、持って生まれたものなのだから仕方がないと諦めてしまう。しかし、その必要はありません。コミュニケーションとは才能ではなく、筋肉同様に鍛えられるものだからです。
另一种是“完全放弃交流”。他们知道自己不擅长沟通,而且这是与生俱来的,没有办法只好放弃。可事实上这完全没有必要。因为交流不是一种天赋,而是像肌肉一样,可以在后天得到锻炼和发展。
事実、アメリカでは、幼稚園の頃からコミュニケーション術を学び続ける風潮があり、ニューヨークの街角ではコミュニケーションに関するワークショップが開かれています。アメリカ人はジムで筋トレするような感覚でワークショップに行き、肩書も性別も関係なく知らない人と話すことができるコミュニケーション力を鍛えている。このように、コミュニケーション力とは「慣れと場数」が9割なのですが、「諦め派」は早々に匙を投げてしまう。結果的に、社会的孤立に陥りやすくなってしまいます。
事实上在美国,人们从幼儿园就开始学习交流方法,在纽约的每个街角都有交流补习班。美国人像锻炼肌肉一样去参加研讨会,以便能够与陌生人交谈,而不管他们的头衔或性别怎样。这样一来,“熟悉度”和“经验”在沟通能力的培养中占比9成。而“放弃派”过早放弃了自己,结果变得更可能陷入社会孤立状态。
男性の会話は情報の交換が中心
男性谈话主要是为了交流信息
こうした日本の中高年男性と比べると、女性はそもそも「お喋り」に抵抗感がない人が多い。男性が1日平均7千語話すのに対し、女性は2万語という説もあるほど。実際、私の父親は典型的な昭和のサラリーマンで口数が少ない。対して母親は、これまた典型的な昭和の専業主婦で、道端でも電話でもぺちゃくちゃ喋っている。父親はそれを見て「どうしてそんなに意味のないことを延々と喋っていられるのか」と、不思議で仕方がないようです。
与这些中老年日本男性相比,许多女性首先不抵触“闲聊”。有人曾说道,男性平均每天说7千字,而女性可以说到2万字。事实上,我的父亲是一个典型的昭和商人,不怎么说话。与此相比,我的母亲又是一个典型的昭和家庭主妇,在大街上、电话上喋喋不休。这时见了母亲的父亲就会说道,“这种无聊的事怎么能说这么久”,好像既感到不可思议又觉得没办法。
なぜ、コミュニケーションにおいて、このようなジェンダーギャップが生まれるのか。アメリカ・ジョージタウン大学のタネン教授による1990年代のベストセラーには、「女性はラポール(共感)トーク、つまり、社会的所属と感情的つながりを重視するコミュニケーションスタイル、一方の男性はレポート(報告)トーク、つまり、感情を交えることなく、情報を交換することに主眼がある」と書かれています。要は、男性は目的がないと人と話すことができないのに対し、女性は話すこと自体が目的なのです。
为什么不同性别在交流中会存在这么大的差别?美国乔治城大学Tannen教授在20世纪90年代的畅销书中表示:“女性的沟通风格是融洽的谈话,也就是强调社会关系和情感联系。而男性的谈话方式是报告式谈话,也就是侧重于信息交换,不交流情感。”简而言之,男性不能漫无目的与人交谈,而女性交谈本身就是目的。
コツは「聞き役に徹する」「質問する」
秘诀在于“做好倾听的角色”“提出恰当的问题”
では、社会的孤立を防ぐためのコミュニケーション力はどうすれば鍛えることができるのか。今日からでも実践できるそのコツは、「聞き役に徹する」と「質問する」。なぜなら、人間は非常に強い承認欲求を持っているからです。聞き、質問し合うことで、お互い承認欲求が満たされ、円滑なコミュニケーションが生まれるのです。
那么,我们该如何提高自己的沟通技巧,避免被社会孤立呢?从今天开始就可以付诸实践的两个技巧是:“倾听”和“提问”。这是因为人们强烈希望得到别人的认可。通过相互倾听和提问,我们可以互相满足对方的认可需求,更加顺畅的沟通。
私は、コミュニケーション下手で嫌われる中高年男性を八つに分類しています。
我将不擅长沟通的中老年男性分为以下八种类型:
1-むっつりオヤジ
1、沉默寡言型
2-威張るオヤジ
2、自吹自擂型
3-ダメ出しオヤジ
3、只会否定型
4-説教オヤジ
4、不停说教型
5-昔話オヤジ
5、高谈阔论型
6-自慢オヤジ
6、自大自满型
7-キレるオヤジ
7、脾气暴躁型
8-文句オヤジ
8、爱发牢骚型
以上の円滑なコミュニケーションを阻害する要因の、それぞれの対処法は以下の通りです。
针对以上类型,相应解决对策如下:
1-挨拶をする
1:打招呼
2・3-ほめる
2/3:赞扬别人
4・5・6-耳を傾ける
4/5/6:善于倾听
7-笑顔を浮かべる
7:露出笑脸
8-お礼を言う(感謝する)
8:对别人道谢(感谢别人)
いずれもごく当たり前のことのように思えますが、「高倉健信奉オジサン」は意外とこれができていません。例えば「ほめる」。自分はいつも部下をほめていると思っている人も多いかもしれませんが、ほめた後に「でも、しかし」と続けていませんか?せっかくほめたのに、その後に注文をつけてしまうと、相手は注文のほうばかりを気にしてしまい、そこにラポール(共感)は生まれにくい。
虽然这些事情看起来理所当然,但那些“信奉高仓健的大叔们”却出人意料的做不到。例如“赞美”。很多人可能认为自己总是在表扬自己的下属,但他们表扬完下属后,不是会继续说“但是、可是”吗?好不容易表扬别人,像这样画蛇添足添加命令后,下属只会注意到命令,不会产生融洽的关系(共鸣)。
「孤独信仰」の強い日本男性
日本男性对孤独拥有强烈的信仰
このような努力が本人側に求められる一方で、社会的孤立を防ぐ対策は社会の側にも求められるでしょう。
虽然个人需要做出这些努力,但社会方面也应该采取措施,防止社会性孤立。
例えば男性は、「寂しいから」という理由だけで自らコミュニティーに参加することに抵抗感を覚えやすい。孤独を認めることは「敗北」だからです。何か目的があり、その目的のために集まってきたのだという「建て前」が男性には必要なのです。実際、いちはやく「孤独担当大臣」を置いたイギリスなどでは、孤独解消のための場ではなく、あくまで一緒に「(高齢者向きの)歩くサッカーをするため」、あるいは「DIYをするため」といった名目で男性が集まれる空間「Men's Shed(男の小屋)」が多数設けられています。
比如男性更有可能仅仅“因为孤独”而不愿意加入一个社区。因为对于他们来说承认孤独就是“失败”。要说有什么目的的话,对于男性来说“上梁”是很重要的。事实上,在英国等地,政府很早就设立了“孤独大臣(2018年,英国前首相特雷莎·梅任命了世界上第一名“孤独大臣”,以期解决英国日益严重的孤独问题。)”,这些国家不是为了提供缓解孤独的场所,而是为男性提供可以进行“步行足球(针对老人)”、“手工DIY”的“男士小屋”。
「こどく」には、「個独(ソリチュード)」と「孤毒(ロンリネス)」のふたつの側面があります。「ひとりの時間っていいよね」という意味で「個独」を楽しむ分には全く問題ないわけですが、「ひとりでいて寂しい」という「孤毒」の感情を押し殺すべきではありません。
“孤独”可分为两个方面:“独处(solitude)”和“寂寞(loneliness)”“独处”意味着“享受一个人相处的时间”,这完全没有问题,但是我们不应该完全扼杀“寂寞”时的感情。
しかし、レイモンド・チャンドラーの小説の登場人物のように、ひとりでタフに生きていくことに憧れている「孤独信仰」の強い日本の男性は、「個独」を選んだはずなのにいつの間にか「孤毒」に陥っていたというケースが少なくない。そして、アメリカ・ブリガムヤング大学のホルトランスタッド教授は2010年、「社会的繋がりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」という分析結果を発表しています。孤独はまさに「死に至る病」なのです。
然而,就像雷蒙德·钱德勒小说中的人物一样,许多日本男性恪守“孤独信仰”,渴望一个人顽强地活着,明明选择的是“独处”,却在不经意间陷入“寂寞”。然而,美国杨百翰大学Holt-Lunstad教授发表的分析报告显示,“有社会关系的人比没有社会关系的人早死的风险低50%”。孤独确实是一种“致命的疾病”。
ですから、老後のための「蓄財」を意識するのであれば、人との繋がりや繋がる力を蓄えていく「蓄人」も意識していただけたらと思います。
因此,如果你有意识为你的晚年“积攒财富”,我也希望你能有意识地“积攒人脉”,培养与他人相互联系的力量。
岡本純子(おかもとじゅんこ)
コミュニケーション・ストラテジスト。1967年生まれ。早稲田大学卒業後、読売新聞経済部記者、電通パブリックリレーションズコンサルタントを経て、企業などのコミュニケーション力の強化を支援する「株式会社グローコム」を設立。著書に『世界一孤独な日本のオジサン』『世界最高の話し方』がある。
冈本纯子(Okamoto Junnko)
交流策略家。1967年生。从早稻田大学毕业后,在担任《读卖新闻》经济部门记者,电通公共关系公司顾问后,成立了Glocomm公司,帮助其他企业组织加强沟通能力。已出版著作《世界第一孤独的日本大叔》《世界上最佳的谈话方式》。
週刊新潮2021年12月16日号掲載
本文发表于新潮周刊,2021年12月16日
特集「お金の問題だけじゃない老後の一大危機『社会的孤立』を防ぐ法」より
摘自专题文章《不只是金钱问题如何防止老年后最大危机“社会性孤独”》
翻译为高顿日语原创,未经许可禁止转载
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